健考彩都コラム
夏の強い紫外線から肌と体を守るため、日焼け止めを塗るだけの対策で終わらせていませんか?
完璧な紫外線対策の鍵は、UVケア、保湿、アフターケア、そして食事によるインナーケアを組み合わせた総合的なアプローチにあります。
この記事では、日焼け止めの正しい選び方から、顔・体のスキンケア、うっかり日焼け後の緊急対処法まで、夏の紫外線から肌と体を守るための全知識を網羅。後悔しないための徹底ガード術を解説します。
夏の太陽が輝く季節は、心躍るイベントが多い一方で、私たちの肌と体にとっては過酷な試練の時期でもあります。
「少し日焼けするくらい大丈夫」と油断していませんか?
実は、夏の紫外線は単に肌を黒くするだけでなく、気づかないうちに深刻なダメージを蓄積させ、肌の老化や体調不良の引き金になっているのです。
ここでは、知っておくべき紫外線の本当の怖さについて詳しく解説します。
この事実を知ることが、効果的な紫外線対策への第一歩となります。
紫外線対策と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、シミやそばかすではないでしょうか。
もちろんそれらも大きな悩みですが、紫外線の最も恐ろしい影響は肌の老化を加速させる「光老化(ひかりろうか)」にあります。
光老化とは、加齢による自然な老化とは異なり、長年にわたって紫外線を浴び続けることで引き起こされるシワ、たるみ、乾燥などの肌の変化を指します。
驚くべきことに、肌の老化の原因のうち、加齢によるものは約20%に過ぎず、残りの約80%はこの光老化が原因だと言われています。
光老化を理解するためには、紫外線の種類とその働きを知ることが重要です。
地上に届く紫外線には、主に「UV-A」と「UV-B」の2種類があります。
紫外線の種類 | UV-A(紫外線A波) | UV-B(紫外線B波) |
---|---|---|
波長の長さ | 長い | 短い |
肌への到達度 | 肌の奥深く「真皮」まで到達する | 肌の表面「表皮」にダメージを与える |
主な肌への影響 |
|
|
ピーク時期 | 4月~8月頃(年間を通して降り注ぐ) | 7月~8月頃 |
特に注意したいのがUV-Aです。
UV-Aは肌のハリや弾力を支えているコラーゲンやエラスチンをじわじわと破壊し、時間をかけて深いシワやたるみを引き起こします。
痛みなどの自覚症状がないまま静かに進行するため、気づいた時には深刻な状態になっていることも少なくありません。
若々しい肌を保つためには、シミの原因となるUV-Bだけでなく、光老化の主犯であるUV-Aもしっかりと防ぐ意識が不可欠です。
紫外線の影響は、目に見える肌トラブルだけにとどまりません。
実は、夏バテや全身の疲労感にも、紫外線が深く関わっているのです。
強い紫外線を浴びると、体は自らを守るために大量の「活性酸素」を発生させます。
この活性酸素は、細胞を傷つけ、酸化させる(サビさせる)働きがあり、これが全身の疲労につながります。
これを「紫外線疲労」と呼びます。
さらに、紫外線は私たちの体に以下のような影響を及ぼす可能性があります。
「なんだか最近疲れがとれない」「夏はいつも体調がすぐれない」と感じている方は、もしかしたらその不調の原因は紫外線にあるのかもしれません。
肌を守る紫外線対策は、同時に夏を元気に乗り切るための健康管理でもあるのです。
美容のためだけでなく、健やかな体を維持するためにも、紫外線対策の重要性を再認識しましょう。
夏の強烈な太陽光から肌と体を守るためには、紫外線対策が欠かせません。
その中心となるのが「日焼け止め」です。
しかし、ただ塗るだけでは十分な効果は得られません。
ここでは、日焼け止めの正しい選び方から効果的な使い方、さらにUVカットアイテムを組み合わせた鉄壁の防御術まで、紫外線対策の基本を徹底的に解説します。
毎日の習慣にすることで、未来の肌は大きく変わります。
ドラッグストアには多種多様な日焼け止めが並んでいますが、パッケージに書かれている「SPF」と「PA」の意味を正しく理解することが、自分に合った製品を選ぶ第一歩です。
これらは紫外線の種類に応じて、防御効果を示しています。
SPFの数値の高さだけでなく、PAの防御効果も確認し、使用するシーンに合わせて両方のバランスを考えることが重要です。
一日中同じ日焼け止めを使うのではなく、その日の活動内容に合わせて使い分けることが、肌への負担を最小限に抑えながら効果的に紫外線を防ぐコツです。
以下にシーン別の目安をご紹介します。
利用シーン | SPFの目安 | PAの目安 | 具体例 |
---|---|---|---|
日常生活 | SPF15~30 | PA++~+++ | 通勤・通学、近所への買い物、洗濯物干しなど |
屋外での軽いレジャー | SPF30~50 | PA+++~++++ | 公園でのピクニック、ガーデニング、屋外でのスポーツ観戦など |
炎天下でのレジャーやスポーツ | SPF50+ | PA++++ | 海水浴、プール、スキー、登山、長時間の屋外作業など |
主に屋内で過ごす日 | SPF10~20 | PA+~++ | オフィスワーク、在宅勤務など(窓から入る紫外線を考慮) |
毎日使うものだからこそ、自分の肌質に合ったテクスチャーや成分の日焼け止めを選びましょう。
肌に合わないものは、肌荒れやニキビの原因になることもあります。
せっかく高機能な日焼け止めを選んでも、塗り方や量が不適切では効果が半減してしまいます。
「塗っているつもり」を防ぎ、製品が持つ効果を最大限に引き出すための正しい塗り方をマスターしましょう。
顔に塗る日焼け止めの適量は、製品のテクスチャーによって異なりますが、一般的にクリームタイプならパール粒2個分、液体状のミルクやローションタイプなら500円玉大が目安です。
思ったよりも多いと感じるかもしれませんが、この量を守ることが大切です。
顔のケアは万全でも、首やデコルテのケアを怠っていませんか?
首や胸元は年齢が出やすいパーツでありながら、常に紫外線にさらされています。
顔のスキンケアの延長と考え、首とデコルテまでをセットでケアする習慣をつけましょう。
首に塗る際は、鎖骨からあご先に向かって、下から上へとやさしくなじませます。
首のシワの間にもしっかりと塗り込みましょう。
忘れがちな首の後ろ(うなじ)も、髪をアップにする際は必須です。
デコルテは、円を描くように広範囲にたっぷりと塗布してください。
腕や脚など、体の広い範囲に塗る際は、容器から直接肌の上に線を描くように日焼け止めを出します。
そして、手のひら全体で大きく円を描くように、優しく均一に伸ばしていくとムラなく塗ることができます。
足の甲、ひざの裏、アキレス腱の周辺なども忘れずにケアしましょう。
日焼け止めの効果を持続させるためには、塗り直しが不可欠です。
汗をかいた後や、タオルで肌を拭いた後、海やプールに入った後は、2~3時間ごとを目安に必ず塗り直してください。
特に紫外線のピークである午前10時から午後2時の間は、意識的に塗り直すことが大切です。
塗り直しには、メイクの上からでも使えるスプレータイプやパウダータイプの日焼け止めを携帯すると便利です。
日焼け止めによるケアと合わせて、物理的に紫外線を遮断するアイテムを併用することで、紫外線対策はより完璧になります。
様々なアイテムを賢く活用しましょう。
これらのアイテムを組み合わせることで、日焼け止めだけではカバーしきれない部分を守り、夏の厳しい紫外線から肌と体をしっかりと守ることができます。
夏の強烈な紫外線や、汗・皮脂によるベタつき、そしてエアコンによる乾燥。
私たちの顔の肌は、夏特有の過酷な環境に常にさらされています。
日中の紫外線対策はもちろん重要ですが、一日の終わりに肌をいたわるスキンケアこそが、ダメージをリセットし、未来の美肌を育む鍵となります。
ここでは、夏の肌悩みに特化した「基本のスキンケアステップ」と「トラブル別集中ケア」を徹底解説。
紫外線に負けない、健やかで美しい肌を手に入れましょう。
夏は汗や皮脂で肌が潤っているように感じがちですが、それは大きな勘違い。
肌の内部は紫外線やエアコンの影響で乾燥している「インナードライ」状態に陥りやすいのです。
夏のスキンケアは「正しく落とし、深く潤し、しっかり守る」ことが鉄則。
正しいステップで、肌のバリア機能を整えましょう。
一日の終わりには、肌に付着した日焼け止め、メイク、皮脂、汗、そしてホコリなどの汚れを丁寧にリセットすることが不可欠です。
これらの汚れが残っていると、肌トラブルや色素沈着の原因となります。
クレンジングは、ウォータープルーフタイプの日焼け止めやメイクもきちんと落とせる洗浄力がありつつ、肌に優しいものを選びましょう。
摩擦は肌ダメージの大きな原因となるため、クレンジング剤はたっぷりの量を手に取り、肌の上で指を滑らせるように優しくなじませるのがポイントです。
オイルクレンジングやバームクレンジングは洗浄力が高いですが、しっかりと乳化させてから洗い流すことで、肌への負担を軽減できます。
洗顔では、クレンジングで落としきれなかった汚れや古い角質をオフします。
洗顔料は手のひらでしっかりと泡立て、弾力のある濃密な泡を作ることが大切です。
泡をクッションにして、肌を直接こすらないように優しく洗いましょう。
特に皮脂分泌の多いTゾーン(おでこ、鼻)から洗い始め、乾燥しやすい頬や目元は最後にさっと洗うのがコツです。
すすぎは、人肌程度のぬるま湯で、髪の生え際やフェイスラインに泡が残らないよう、20回以上を目安に丁寧に行いましょう。
「夏はベタつくから保湿は控えめに」と考えていませんか?
それは間違いです。
夏の肌は、紫外線やエアコンによって水分が奪われ、乾燥しがち。
肌が乾燥すると、それを補おうとして皮脂が過剰に分泌され、かえってベタつきやテカリを招いてしまいます。
洗顔後の肌には、まず化粧水でたっぷりと水分を補給します。
ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲンといった高保湿成分が配合されたものを選びましょう。
一度にたくさんつけるのではなく、数回に分けてハンドプレスでじっくりとなじませることで、角層のすみずみまで水分が行き渡ります。
そして、化粧水で与えた水分が蒸発しないよう、乳液やジェル、クリームなどの油分で必ず蓋をしてください。
これが肌のバリア機能を正常に保ち、外部刺激から肌を守るために非常に重要です。
夏場は、さっぱりとした使用感のジェルクリームや、油分の少ない乳液を選ぶと快適にケアを続けられます。
夏のスキンケアにぜひ加えたいのが、美白有効成分を配合した美容液です。
美白ケアの目的は、今あるシミを消すことだけでなく、未来のシミ・そばかすを予防することにあります。
紫外線を浴びると、肌内部ではメラニンが生成されますが、美白美容液は、このメラニンの生成を抑制したり、排出を促したりする働きがあります。
美白有効成分としては、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、アルブチン、コウジ酸などが代表的です。
これらの成分は、厚生労働省によってその効果が認められています。
自分の肌質や目指したい肌に合わせて選びましょう。
使用するタイミングは、一般的に化粧水の後、乳液・クリームの前です。
適量を手に取り、顔全体に優しくなじませます。
シミやそばかすが気になる部分には、指先でトントンと重ね付けするのが効果的です。
美白ケアは一朝一夕で効果が出るものではありません。
毎日コツコツと継続することで、紫外線ダメージに負けない透明感あふれる肌へと導きます。
夏の過酷な環境は、毛穴の開きやインナードライといった特有の肌トラブルを引き起こしやすくなります。
基本のケアに加えて、悩みに合わせた集中ケアを取り入れ、トラブル知らずの肌を目指しましょう。
夏に特に目立つ毛穴の悩み。
その原因は一つではありません。
過剰な皮脂分泌と古い角質が混ざり合ってできる「角栓」による黒ずみや詰まり、そして紫外線ダメージによるコラーゲンの減少で肌がたるむ「たるみ毛穴」などがあります。
毛穴の黒ずみやザラつきには、週に1〜2回のスペシャルケアとして、酵素洗顔パウダーやクレイ(泥)パックがおすすめです。
これらは、通常の洗顔では落としきれない毛穴の奥の汚れや角栓を吸着し、優しく取り除いてくれます。
ただし、やりすぎは乾燥を招くので、使用頻度には注意しましょう。
皮脂分泌を抑え、肌を引き締める効果のあるビタミンC誘導体配合の美容液や、収れん化粧水を取り入れるのも効果的です。
毛穴ケアで最も大切なのは、汚れを落とすことと、しっかりと保湿することの両立です。
肌が潤いで満たされると、キメが整い、毛穴がふっくらして目立ちにくくなります。
インナードライは、肌表面は皮脂でベタついているのに、角層の水分量が不足している状態です。
洗顔後に肌がつっぱるのに、日中はTゾーンがテカるという方は、インナードライの可能性が高いでしょう。
このタイプの肌には、何よりもまず「徹底した水分補給」が最優先課題です。
角層の水分保持に欠かせない「セラミド」や、高い保水力を持つ「ヒアルロン酸」が配合された化粧水や美容液を選び、肌にたっぷりと水分を与えましょう。
週に数回、保湿成分が凝縮されたシートマスクで集中保湿するのも非常に効果的です。
そして、保湿ケアの最後には、必ず乳液やクリームで水分の蒸発を防ぐことを忘れないでください。
肌の水分と油分のバランスが整うことで、過剰な皮脂分泌が抑制され、ベタつきと乾燥の両方の悩みにアプローチできます。
肌が敏感に傾きがちな状態でもあるため、アルコールフリーや無香料など、低刺激処方のスキンケア製品を選ぶことも大切です。
顔の紫外線対策は完璧でも、ボディケアはつい後回しになっていませんか?
紫外線は顔だけでなく、髪や頭皮、首、デコルテ、手足など全身に降り注いでいます。
特に、夏は肌の露出が増えるため、ボディの紫外線対策とスキンケアが肌全体の印象を大きく左右します。
ここでは、見落としがちなパーツを含めた全身のケア方法を徹底解説します。
肌と同じように、髪と頭皮も紫外線によって深刻なダメージを受けます。
「髪の毛があるから頭皮は大丈夫」というのは大きな間違い。
髪の分け目や生え際は、直接紫外線を浴びやすく、気づかないうちに日焼けしていることが多いのです。
紫外線は髪の内部にあるタンパク質を破壊し、キューティクルを傷つけます。
その結果、髪のパサつきやごわつき、枝毛、切れ毛、ヘアカラーの褪色といったトラブルを引き起こします。
また、頭皮が日焼けすると、炎症を起こして赤くなったり、乾燥してフケやかゆみの原因になったりすることも。
将来的な薄毛や抜け毛のリスクにもつながるため、早期の対策が不可欠です。
髪と頭皮を守るためには、以下の対策を取り入れましょう。
帰宅後は、保湿成分や補修成分が配合されたシャンプーやトリートメントで優しく洗い、失われた潤いを補給してあげましょう。
夏は汗や皮脂、日焼け止めなどで体も汚れやすいため、ついゴシゴシと強く洗ってしまいがちです。
しかし、紫外線でダメージを受けた肌はバリア機能が低下しており、非常にデリケートな状態。
間違った洗い方は、肌の乾燥をさらに悪化させる原因になります。
夏のボディケアは、「汚れはきちんと落としつつ、肌に必要な潤いは奪わない」ことが鉄則です。
そのためには、ボディソープ選びと洗い方が重要になります。
【ボディソープ選びのポイント】
【肌の潤いを守る正しい洗い方】
お風呂上がりの肌は、水分を含んで潤っているように感じますが、実は急速に水分が蒸発していく最も乾燥しやすいタイミングです。
お風呂から上がったら、タオルで優しく水気を押さえるように拭き、10分以内に保湿ケアを完了させることを目指しましょう。
この「保湿のゴールデンタイム」を逃さないことが、紫外線に負けない健やかな肌を育む鍵となります。
ボディ用の保湿剤には様々なテクスチャーがあります。
季節や肌質、使うシーンに合わせて使い分けるのがおすすめです。
種類 | テクスチャー・特徴 | おすすめの肌質・シーン |
---|---|---|
ローション・ジェル | 水分が多く、みずみずしい使用感。 肌に素早く浸透し、ベタつきが少ない。 |
脂性肌、普通肌の方。 朝のケアや、さっぱりとした使用感が好きな方におすすめ。 |
ミルク(乳液) | 水分と油分がバランス良く配合されている。 なめらかに伸び、しっとり感が持続する。 |
普通肌、乾燥肌の方。 全身の保湿に使いやすく、季節を問わず活躍する。 |
クリーム | 油分が多く、こっくりとしたテクスチャー。 保湿力が高く、肌表面に膜を作って水分の蒸発を防ぐ。 |
乾燥肌、超乾燥肌の方。 ひじ、ひざ、かかとなど特に乾燥が気になる部分の集中ケアに。 |
オイル | 油分100%。 肌を柔らかくし、水分の蒸発を防ぐ効果が最も高い。 |
超乾燥肌の方。 お風呂上がりの濡れた肌に伸ばすと、少量で広範囲をケアできる。 |
保湿ケアの際は、ひじ、ひざ、かかとといった角質が厚くなりやすい部分や、サンダル焼けしやすい足の甲、年齢が出やすい手の甲など、忘れがちなパーツまで丁寧に塗り込みましょう。
また、日焼けによるほてりやシミ・そばかすが気になる場合は、ビタミンC誘導体などの美白有効成分や、グリチルリチン酸ジカリウムなどの抗炎症成分が配合された薬用タイプのボディケア製品を選ぶのも良いでしょう。
どれだけ気をつけていても、うっかり日焼けしてしまうことはあります。
大切なのは、その後の対応です。
日焼けは肌が軽いやけどを負っている状態であり、放置するとシミやシワ、たるみといった光老化を深刻化させる原因になります。
日焼け後の72時間以内の緊急ケアが、肌の未来を大きく左右すると心得ましょう。
ここでは、「冷やす」「潤す」「守る」の3ステップで、肌と体へのダメージを最小限に抑えるアフターケアを徹底解説します。
日焼けした肌は、内部で炎症が起きている「やけど」と同じ状態です。
まずは、この炎症をできるだけ早く鎮めるために、徹底的にクールダウンさせましょう。
ほてりを感じたら、すぐに冷却を開始することが重要です。
これにより、炎症の悪化や痛みを和らげ、メラニンが過剰に生成されるのを抑制する効果が期待できます。
具体的な方法としては、冷たいシャワーを浴びるのが手軽でおすすめです。
ただし、水圧を強くすると肌への刺激になるため、必ず弱い水流で優しく浴びましょう。
顔や首など、部分的な日焼けの場合は、冷水で濡らした清潔なタオルや、タオルで包んだ保冷剤を優しく当てます。
赤みやヒリヒリ感が落ち着くまで、15分程度を目安に数回繰り返してください。
水ぶくれができるほど重症の場合は、自己判断せず、速やかに皮膚科を受診しましょう。
注意点として、氷を直接肌に当てるのは凍傷のリスクがあるため絶対に避けてください。
また、日焼け後の入浴は、血行を促進して炎症を悪化させる可能性があるため、湯船に浸かるのは避け、ぬるめのシャワーで済ませるのが賢明です。
体を洗う際も、ナイロンタオルなどでゴシゴシこすらず、たっぷりの泡で優しくなでるように洗いましょう。
クールダウンで肌のほてりが鎮まったら、次は徹底した保湿ケアに移ります。
紫外線によってダメージを受けた肌は、水分が急速に失われ、カラカラの砂漠状態になっています。
これにより肌のバリア機能が著しく低下し、外部からの刺激を受けやすくなるため、いつも以上に丁寧な保湿で肌を守る必要があります。
まずは、体の中から水分を補給しましょう。
日焼け後は体も水分不足に陥りがちです。
常温の水や麦茶、経口補水液などを意識的に摂取し、体の内側から潤いを満たしてください。
肌への保湿には、敏感肌用や低刺激性の化粧水、ジェル、ローションを選びましょう。
アルコール(エタノール)や香料、着色料などが含まれていない、シンプルな処方のものが最適です。
アロエベラエキスやCICA(ツボクサエキス)、グリチルリチン酸ジカリウムといった鎮静成分や、セラミド、ヒアルロン酸などの高保湿成分が配合されたアイテムがおすすめです。
お風呂やシャワーの後は、肌が乾燥する前に、すぐに全身へたっぷりと塗り広げましょう。
特に、顔だけでなく、首、デコルテ、腕、脚など、日焼けしたすべての部分をケアすることが大切です。
日焼け後の顔のスキンケアは、「守り」に徹することが鉄則です。
肌が非常にデリケートになっているため、普段行っている「攻め」のケアは一旦お休みし、肌の回復を最優先させましょう。
まず、クレンジングや洗顔は、肌への摩擦を最小限に抑えることが重要です。
洗浄力の強いオイルやシートタイプは避け、肌に優しいミルクタイプやジェルタイプのクレンジングを選びましょう。
洗顔料はよく泡立て、泡をクッションにして肌に直接触れないように優しく洗います。
洗い流す際は、32℃程度のぬるま湯ですすぐのがポイントです。
化粧水は、コットンを使わず清潔な手のひらで優しくハンドプレスしてなじませます。
シートマスクを使う場合は、鎮静効果が高く、アルコールフリーのものを選び、規定の時間以上放置しないように注意してください。
その後、乳液やクリームでしっかりと潤いを閉じ込めます。
美白美容液やレチノール、ビタミンC配合のアイテムは刺激になる可能性があるため、肌の状態が完全に落ち着くまでは使用を控えましょう。
日焼け後の敏感な肌には、避けるべき成分があります。
以下の成分が含まれていないか、化粧品の成分表示を確認する習慣をつけましょう。
避けるべき成分の例 | 避けるべき理由 |
---|---|
アルコール(エタノール) | 肌の水分を奪い、乾燥や刺激を助長する可能性があるため。 |
高濃度のビタミンC誘導体 | 普段は美白効果が高いが、日焼け後の肌には刺激となることがあるため。 |
レチノール(ビタミンA) | 肌のターンオーバーを促進する作用が、かえって刺激になるため。 |
AHA・BHA(フルーツ酸など) | 角質を剥がすピーリング作用があり、バリア機能が低下した肌には負担が大きいため。 |
香料・着色料 | アレルギー反応や刺激の原因となる可能性があるため。 |
肌の赤みやヒリヒリ感が完全に引き、肌が元の状態に戻るまでは、少なくとも1週間程度はこうした「守りのケア」を続けることをおすすめします。
夏の厳しい紫外線対策は、日焼け止めや日傘といった外側からのケアだけでは万全とは言えません。
紫外線によって体内で発生する活性酸素は、肌細胞を傷つけ、シミやシワ、たるみといった肌老化の原因となります。
肌本来が持つ防御機能と修復能力を高めるためには、体の内側からアプローチする「インナーケア」が不可欠です。
毎日の食事や生活習慣を見直し、紫外線に負けない健やかな肌と体を手に入れましょう。
紫外線ダメージから肌を守るためには、抗酸化作用の高い栄養素を積極的に摂取することが重要です。
特に「ビタミンACE(エース)」と呼ばれるビタミンA(β-カロテン)・C・Eは、それぞれが強力な抗酸化作用を持つだけでなく、一緒に摂ることで相乗効果を発揮し、より効率的に活性酸素を除去してくれます。
以下に、紫外線対策に効果的な栄養素と、それらを豊富に含む食品をまとめました。
旬の食材を上手に取り入れ、美味しくインナーケアを実践しましょう。
栄養素 | 期待できる効果 | 多く含まれる食べ物 |
---|---|---|
ビタミンC | メラニン色素の生成を抑制し、シミやそばかすを防ぎます。 また、コラーゲンの生成を助け、肌のハリを保ちます。 |
赤ピーマン、黄ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ、レモン、いちご、じゃがいも |
ビタミンE | 「若返りのビタミン」とも呼ばれ、強い抗酸化作用で細胞の酸化を防ぎます。 血行を促進し、肌のターンオーバーをサポートします。 |
アーモンドなどのナッツ類、アボカド、かぼちゃ、うなぎ、植物油(ひまわり油、米油など) |
β-カロテン(ビタミンA) | 体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康を維持します。 肌の乾燥を防ぎ、うるおいを守ります。 |
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、小松菜などの緑黄色野菜、マンゴー |
リコピン | トマトの赤い色素成分で、非常に高い抗酸化力を持ちます。 β-カロテンの2倍以上、ビタミンEの約100倍とも言われています。 |
トマト、スイカ、ピンクグレープフルーツ、柿 |
アスタキサンチン | 鮭やエビ、カニなどに含まれる赤い色素。 強力な抗酸化作用で、紫外線による一重項酸素の発生を抑制します。 |
鮭、いくら、エビ、カニ |
ポリフェノール | 植物が自身を紫外線などから守るために作り出す成分の総称。 種類が豊富で、それぞれが多様な抗酸化作用を持ちます。 |
ブルーベリー(アントシアニン)、緑茶(カテキン)、大豆(イソフラボン)、カカオ(カカオポリフェノール) |
これらの食材を単体で大量に摂取するのではなく、様々な食材を組み合わせてバランス良く食べることが、効果的なインナーケアの鍵となります。
特に夏野菜は、旬の時期に栄養価が高まるだけでなく、体を冷やす効果も期待できるため、夏バテ対策としてもおすすめです。
忙しい毎日の中でも手軽にインナーケアを続けるなら、飲み物を活用するのがおすすめです。
水分補給と同時に、紫外線対策に有効な成分を摂取できる一石二鳥の習慣を取り入れましょう。
ただし、市販のジュースやスムージーは糖分が多く含まれている場合があるため、成分表示を確認し、できるだけ果物や野菜そのものの栄養を摂れるものを選びましょう。
食事と同じくらい、インナーケアにおいて重要なのが「睡眠」です。
私たちは眠っている間に、肌のダメージを修復し、新しい細胞を生み出す「肌のターンオーバー」を行っています。
このプロセスに深く関わっているのが、入眠後に分泌が活発になる「成長ホルモン」です。
質の良い睡眠を確保し、成長ホルモンの分泌を促すことは、日中に受けた紫外線ダメージをリセットするための最も効果的な美容法と言えます。
単に長く眠るだけでなく、「睡眠の質」を高めるために、以下の習慣を心がけましょう。
紫外線に負けない美しい肌は、日々の地道なインナーケアの積み重ねによって育まれます。
食事、飲み物、そして睡眠という基本的な生活習慣を見直すことが、未来の肌を守るための確実な一歩となるのです。
夏の紫外線は、シミや肌老化といった肌トラブルだけでなく、夏バテなど体調にも影響を及ぼします。
健やかな肌と体を守るためには、日焼け止めを正しく使う外側からのケアと、食事や睡眠といった内側からのケアを組み合わせることが結論として最も重要です。
うっかり日焼けした場合も、適切なアフターケアでダメージは最小限に抑えられます。
本記事で紹介した対策を実践し、万全の紫外線対策で輝く夏を過ごしましょう。
商品カテゴリから探す